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サラエボ旅行案内
FAMA
サラエボは1984年冬季オリンピックの開催地。教会やモスク、シナゴーグが混在する美しい街の様子が世界中に放映されました。しかしその僅か8年後の1992年、サラエボの街は戦車、迫撃砲、対空機関砲、狙撃用ライフル、小型銃に取り囲まれ、破壊し尽くされようとする戦禍の人質都市となってしまい、ユーゴ内戦の象徴となります。
本書は、サラエボ包囲戦の最中、スアダ・カピッチの主催するインディペンデント・プロデューサーグループFAMAとアーティストや文化人により企画されたサバイバル・ガイドブックです。サラエボ市民は、重火器に囲まれ、狙撃兵たちの標的となりながら、飲み水を確保するためだけに一日2時間も費やさなければなりませんでした。このような極限状態に生きる人々の知恵と経験が、ミシュラン社ガイドブックのデザインにまとめられています。多くの人々が命を落す現実のなか、サラエボ市民が生物的サバイバルだけでなく、ラジオやカフェ、出版物の発行、音楽コンサートなどを何とか維持することで、文化的にもサバイバルしたことが、本書から伝わってきます。
-----ユーモアや知性や「労働」は本来、抑制をうける種類のものだが、人びとにとっては「生き延びる」ために大切な何かだった。もし誰も存在しない世界の果てにいるとするなら、「地獄の13階」に住んでいるとするなら、あるいは同じ日に葬式と結婚式をとり行うとしたなら、せめて冗談を言うほかになにができるだろうか。死はつねに日常以外のなにものでもない。 (スアダ・カピッチ、本文より)
1994年11月発行
95頁
26cmX12cm
定価1,529円(本体1,456円+税)
日本語
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