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本
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鳥を見る
野口里佳作品集
これまでオリジナルプリントによる展覧会を主な表現の場としてきた作家、野口里佳の初めての作品集です。
野口の作品は極めて単純化された匿名的な要素によって構成されています。もっとも原初的な写真的方法で切り取られた作意のない世界は、時間的・空間的パターンさえ還元された実相のディテールの堆積により構築されています。
これまでの写真的経験やそれを読み解く文脈を諦めざるを得ないからでしょうか、野口の作品と対峙した時、一種の困惑が生じます。その感覚は、私たちが見ること、知覚することから遠退いてしまった原風景を目の当たりにした瞬間にも似ています。
作家として野口が登場した90年代は貪欲にイメージを求めた時代でした。当時、彼女が異質だったことは言うまでもありません。彼女はただひとり既に次の写
真の可能性を模索していたように思われます。
イメージやリアリティが止め処なく消費され即物化し終焉していくこの時期に、「大切なのは想像力」と語る野口の特異な作品が注目されるのは偶然ではありません。
今、このようなイメージを巡る転換期にあって野口里佳の作品集が生まれることになったのは必然的であると言えるでしょう。
野口里佳略歴:1971年埼玉県大宮市生まれ。日本、アメリカ、ドイツ、フランス、オランダ、ブラジルなどで展覧会を中心に活動中。
(Text:島袋道浩/美術家、光田由里/渋谷区立松濤美術館学芸員、芹沢高志/P3ディレクター)
2001年1月
P3 art and environment発行
80頁
日英
定価3,990円(本体3,800円+税)
在庫切れ
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