・上映会と義援金のおねがい
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小林 博(ますだ のぶお)

地震は天災です。逃げようがありません。
幸いにも我が家は倒壊を免れ、自宅で一人も欠ける事なく家族と生活をしています。
毎日水汲みに行く不便はあったものの、たった数十年前までは、さほど珍しい光景では無かったのでは? と思うと、さしたる苦労ではありませんでした。
物が無ければ御近所さん同士で分けたり、物々交換したり。
困った時はお互い様、不便なのもお互い様。
支援物資や頂き物もお互い様。
周りの人達みんな被災者なのですから、お互い様が当たり前。

原発事故があってからも、小さい子供達にいらぬ心配を与えたくないので務めて平然としていました。内心では、いつ避難しようか、避難先の確保に連絡を取りまくったりと葛藤の毎日が続いていました。学校が始まった今となっては、腹を括ってしまいました。(妻と子供には、いつでも逃げられるようにと伝えてはありますが…)

政府や東電に怒りの声をあげないのはなぜか?という海外報道もいくつか見受けられますが、被災地にいる自分にとっては、毎日の生活を安定させる事が第一でそれどころではありません。
そんな事で怒るのは無駄にエネルギーを費やしているようで、勿体無さすぎるように思います。
とにかく自分がいま出来る事をやることしかできません。
数か月先の仕事が全くありません。今は仕事を見つける事で精一杯です。
もう少しこの生活に慣れて落ち着いてきたなら、より積極的にボランティア活動にも関わりたいと思っています。

いま「原発問題」「風評被害」という、全然嬉しくない話題のおかげで全国からいわき市に目が向けられるようになりました。
この先どんな展開になるのか、全く判りません。
ですがこれからも、淡々と生活していくことでしょう。
私達は「被災者」で「被害者」かもしれません。
でもこの地で仕事をし、家族と一緒の時間を過ごしている「生活者」です。

よぼよぼのご高齢にもかかわらず老体にムチ打たれて働かされ、ヘルパーさん達に適切な早期処置をされずにお腹を壊したうえにシモの締りが悪くなってしまった哀れな原発っつぁん。。。
東電批判の報道がヒートアップしてきているように思います。
一部の報道を見ていて、報道する側の人達に「そのニュースの裏側にいる、渦中で生活している人達の気持ちを考えてニュースを作っていますか?」という素朴な疑問を持ったので、もしかすると皮肉にとられてしまうかも、とは思ったのですが…。
TVを見ていて、映画「ダイ・ハード」に出てくるアホなジャーナリストとオーバーラップすることもしばしば。。。

ここ数日の様々な報道(WEBを含めた)を見ていて思い出した言葉がありましたので追記します。
まぁ、題名も忘れたぐらい昔に読んだ本の受け売りなんですが…

「嵐の海に投げ出された者にとって必要なものは、船上から危険を知らせる数多の声ではなく、もがき疲れた体を支える為の浮き輪である。」

美味い江戸前の寿司と虎屋の羊羹が食べたいと思う今日この頃です(笑)
江尻暁子 ひろしししど
けいこたかだ けいすけしまざき
もといこばやし のぶおますだ
ともみちひるた ゆきこみはら